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法律行為を行えない人が相続人にいる場合の遺産分割協議(2)

公開日: : 相続

遺産分割の協議をしようとしても、相続人の中に、法律行為を行えない人がいる場合は、話が複雑になる、というのが先日のお話でした。

どんな場合に、“複雑”になってしまうのかというと、例えば、

▼相続人が未成年
▼相続人が高齢などで認知症

というケースです。

単独で、完全に有効な法律行為を行うことができることを「行為能力」と言います。この行為能力について制限のある人と、「制限行為能力者」というのですね。

制限行為能力者は、以下の4種類があります。

●未成年
●成年被後見人
●被保佐人
●被補助人

単語だけ羅列しても、よくわからないので、原理原則をシンプルなカタチでまとめてみました。

141225_制限行為能力者の概略

未成年

これは、年齢が20歳未満の人のことを指します。(婚姻したら云々はありますが、ややこしくなるのでここでは省きます。)

未成年の保護者は、法定代理人で、親権者か家庭裁判所が選任した後見人ということになります。

法定代理人は、未成年者が行う法律行為を同意する、もしくは、未成年者に代わって代理で法律行為を行うことができます。

成年被後見人

成年被後見人は、恒常的に判断能力を欠く人のことを指します。例えば、認知症となった高齢者が挙げられます。

家庭裁判所で、成年被後見人と審判されると、成年後見人が選任されます。成年被後見人は、判断能力を欠く程度が高いので、財産上の行為は、成年後見人が代理します。たとえ同意したとしても、取り消しをすることができます。

被保佐人

これも、判断能力を欠く人のことを指しますが、程度の問題です。成年被後見人よりは軽度ですが、被保佐人より重度な状態です。程度をを決めるのは家庭裁判所です。

被保佐人が、“一定の重要な行為”を被保佐人が行う場合は、保護者である保佐人の同意が必要になります。(ただし、保佐人には、代理する権限はありません。)

では、“一定の重要な行為”とは、何でしょうか。

保佐人の同意が必要となる、一定の重要な行為とは、民法13条1項に掲げられています。口語で説明すると、以下のような行為をいいます。

被保佐人が単独で行えない、一定の重要な行為

1)貸した家やお金などを返してもらったり(預金の払戻しも含む)、
それらを他人に貸したり預けたりすること

2)お金を借りたり、他人の保証人になること

3)家や高価な財産を売ったり、貸したり、担保をつけたりすること

4)訴訟を起こしたり、訴訟を取り下げたりすること

5)贈与,和解をしたり、仲裁契約をすること

6)相続を承認・放棄したり、遺産分割をすること

7)贈与や遺贈を断ったり、負担付きの贈与や遺贈を受けたりすること

8)新築・改築・増築・大修繕の契約をすること

9)宅地は5年・建物は3年・動産は半年
を越える期間にわたって、貸す契約をすること

被補助人

これも同様に、判断能力を欠く程度の問題です。一番軽度な場合ですね。成年被後見人・被保佐人・被補助人のいずれに該当するかを判断するのは、家庭裁判所ということになります。

もちろん例外はありますが、とりあえずの整理はこんなところでしょう。筆者も親族の相続問題における当事者となっているので、頭が整理できました。

あなたの参考にもなれば幸いです。

ではまた。

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