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人口減少・空き家増加なのに新築住宅が増え続ける理由

 

本日は、ニッポンの住宅事情について考えます。

日本では、これまで個人の住宅取得の
促進が図られてきました。

これはもともと、
人口の増加、世帯数の増加で、
住宅への需要が高まっていたものの、
住宅の供給自体が足りなかったことに起因します。

こういった事情から、
国も住宅ローン減税などの特典を用意し、
国民の住宅取得を後押ししてきました。

この政策は、
個人の新築信仰と住宅販売業者の意向
とも合致する考えでした。

現在はというと、全国的に空き家が
増え続けているという事実があります。

総務省の「住宅・土地統計調査
によると、空き家の数は
757万件(2008年)にのぼります。

この「住宅・土地統計調査」は、
日本の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、
世帯が保有する土地の状況を
把握することを目的に、
5年ごとに行われている調査です。

今年2013年は、新たに統計が公表される年ですが、
本日時点で調査を行っています。

空き家に関していえば、
2008年時点の757万件を大幅に
上回る結果になるでしょう。

—————————————————-
■なぜ、人口減少・空き家増加なのに
住宅が増え続けるのか

—————————————————-

これまで増加を続けてきた日本の人口は、
2010年に12,804万人となり、
ピークを迎えました。

140908_人口推移予測(1)

そこからは、少子高齢化で
減少していくことが確実です。

2030年には11,662万人となりますから、
2010年からの20年間で、
1,142万人の人口が減少します。

1年当たりでは、57.1万人減少するわけです。

この数字、イメージが湧くでしょうか。

これは、
鳥取県くらいの人口が毎年減少
していく計算です。

131027_都道府県別人口

ただ現状は、少子高齢化で空き家が
増えているにもかかわらず、
新たな住宅が供給され続けています。

それは、
政府、国民(需要側)、
そして、住宅販売業者等(供給側)、

それぞれの思惑に合致するからです。


▼政府

これまで政府が
住宅の供給策を進めてきたのは、
住宅不足という国民事情への
対応からでした。

しかし、バブルが崩壊した後は、
政策の目的が、
住宅不足から景気対策へと
変わりました。

国民が住宅を新たに取得すると、
家具などの購入が期待されます。

このような関連購買が、
経済の波及効果となり、

これが景気を浮揚させるきっかけとなる
という考え方が根底にあります。


▼国民(購入者)

上記で挙げたように、
過去においては住宅不足という
事情がありましたが、
それに加えて、
インフレだったという事情もありました。

不動産を取得すると
その資産価値は上がっていきました。

だから住宅を資産として捉えて、
ローンを組んでまでも取得する
意味はあったのです。

土地と建物を担保に
ローンを組んで不動産を購入する。

その担保価値が上昇する
というサイクルでした。

ローンを組んでも、
個人所得は年齢とともに
上がっていくことが前提でしたから、
合理的な選択だったのです。

バブルが崩壊した後は、
デフレになりました。

不動産を取得すると、
その資産価値は下がっていきます。

右肩上がりの経済成長を
前提にできませんから、
個人所得も上がっていきません。

無理してローンを組んで住宅を取得し、
すぐに売却するとローンだけが残る
という構図となります。

それでも、新築信仰が根強いため、
住宅は取得されているのです。


▼住宅販売業者等(販売者)

不動産会社、工務店、住宅関連メーカー、
金融機関、それらの企業は
売上を続けなければ、
生き残っていくことができません。

空き家が増えてきたから、
供給をストップすることなど
到底できないのです。

新築で販売した方が、
利幅が大きいですし、
需要側のニーズに合致しますので、
当然に新築の住宅を
勧めることになります。

この空き家の問題、根が深そうなので、
また書きます。

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