*

不動産投資のリスク ~勘定合って銭足らず~

こんにちは。

前回までは、不動産投資のリスクとして

●物件の高掴みリスク 
●空室リスク 
●建物の老朽化リスク(≒管理会社のリスク) 
●賃料の値引きリスク 
●建物が倒壊するリスク(震災等のリスク) 
●金利の上昇

について取り上げました。

今回もその続きです。

●償却が終了し、キャッシュフローがマイナスになるリスク 
●本業の失業リスク 
●資金流動化のリスク

—————————————————–
■ 償却が終了し、キャッシュフローがマイナスになるリスク
—————————————————-

今回は、減価償却のことについて取り上げます。

▼減価償却とは

例えば・・・ ・何かの事業を始めるために、
・100万円で設備を購入
・設備導入により、
・毎年30万円の収入が見込める
・その設備は5年間使用可能

という単純なケースで考えた場合、
毎年の損益はどうなるでしょうか。

1年目の損益は、設備投資して
経費が掛かっていますから、

損益 = 収入 - 必要経費
-70万円 = 30万円 - 100万円

・・・わっ、大きく赤字!

2年目以降については、
経費が掛かりませんから、
損益は、
30万円 = 30万円 - 0万円

・・・わっ、収入が全て黒字!

とやってしまって、いいものでしょうか。

何かおかしいなと感じませんか?

何がおかしかったのか。

そう、1年に100万円を全て必要経費としてしまったのが、
おかしかったのです。

使う年数に応じて、少しずつ必要経費に
算入するというのが合理的な考え方ですよね。

これが減価償却の1つの側面です。

その小分け(分割)された費用のことを
減価償却費と呼びます。

2年目以降は、必要経費(減価償却費)として
30万円が計上されますが、
実際のキャッシュは出て行きません。

ここがミソです。

▼減価償却の具体的計算方法

>耐用年数

機械設備とか自動車とか建物とか、
一つ一つのものについての
使用年数(耐用年数)というのは、
決められています。

不動産投資にかかわるものであれば・・・
鉄筋コンクリート造のマンション → 47年
建物附属設備 → 15年
といった具合に。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40F03401000015.html

東京都主税局のHPに耐用年数の
一覧が載っていましたのでご参考まで。
こちらの方が見やすいですね。
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/info/taiyo_nensu.htm

>定額法償却と定率法償却

減価償却方法には、定額法と定率法があります。

定額法: 減価償却額は毎年同じ金額

減価償却費 = 取得価額 × 償却率(※1)

定率法:

減価償却額は年々減少
(当初は償却額が大きいが、徐々に減少)

減価償却費 =未償却残高(※2) × 償却率

※1 減価償却資産の償却率表
※2取得価額からこれまでの減価償却費の累計額を引いたもの

不動産投資にかかわるものであれば・・・

建物      → 定額法のみ
(1998年改正で定率法は選択不可に・・・)
建物附属設備 → 定額法・定率法を選択

ここでのミソは、定率法を選択すると、
当初の償却額が大きいけど、
徐々に減少するということです。

減価償却の詳しい計算方法は以下をご参照ください。 http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2106.htm

▼減価償却費が大きいことの、嬉し・悲し

減価償却は、キャッシュアウトを伴わない
必要経費の計上です。

賃貸事業の損益は以下のように計算されましたよね。

賃貸事業損益 = 家賃収入 - 必要経費(含、減価償却費)

ここから見えてくるものはありませんか?

==================================
減価償却費が大きくなれば、
キャッシュアウトしない必要経費が大きくなる

賃貸事業の損益(不動産所得)が、マイナスとなる

でもそれは、他の所得(給与所得等)から相殺できる額が拡大

ということは、確定申告で所得税の還付額が増
==================================

という図式になります。

建物附属設備の償却方法について
定率法を選択していれば、
不動産投資開始当初は、
償却額が大きくなります。

それは、確定申告による税金の
還付額が多くなることに繋がり、
ルンルン気分になれます。

ただ、年々償却額は少なくなり、
必要経費の額が少なくなるので、
ルンルン気分は低減していきます。

以下でいうところの3)の額が少なくなるのです。

1) キャッシュインする家賃収入
2) キャッシュアウトする必要経費
3) キャッシュアウトしない必用経費(減価償却費)

当初は、家賃収入<必要経費で損益がマイナスであっても、
3)が大きいので、確定申告して所得税の還付を受ければ、
キャッシュベースではプラスとなりえます。

特に1年目は、減価償却額が大きいため、
所得税の還付額が大きく、
“儲かった感“が大きいのです。

ところが、3)が小さくなっていくに従って、
還付額が少なくなり、
必要経費には算入できないけど、
キャッシュアウトするローンの元本部分を
考慮に入れると、
キャッシュベースでマイナスに
なることがあります。

この場合、損益はプラスになるけど、
キャッシュはマイナスとなります。

「勘定合って、銭足らず」状態になりますでしょうか。

お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

題名

メッセージ本文

adsense レクタングル

関連記事

消費税から建物価格を算出する方法

先日のエントリーでは、土地と建物の区分方法について、 以下の4つがあるという話をしました。

記事を読む

no image

不動産投資のリスク ~空室リスク~

ビルの谷間できれいな花が咲いていました。[/caption] こんにちは! 不動産投資

記事を読む

家を売却したときの税金の仕組み(2)

先日より、家を売却したときの 税金の仕組みについて取り上げています。 確認したのは、

記事を読む

不動産投資のリスク ~本業の失業リスク~

こんにちは。 前回までは、不動産投資のリスクとして ●物件の高掴みリスク  ●空室

記事を読む

no image

消費税増税前に住宅の取得を検討している方へ~贈与税の特例の話~

泣き止まない妹に兄が・・・お兄ちゃんの自覚が出てきましたw[/caption] こんにちは!

記事を読む

no image

不動産投資の仕組み(カラクリ)(2)

  こんにちは! 今日も青い空が広がっていましたね。 さて、前回に続き、

記事を読む

自宅売却における建物の取得費の計算方法

自宅(マイホーム)を売却する際に かかる税金は、「譲渡所得金額」 に基づいて計算されます。

記事を読む

家を売却したときの税金の仕組み(4)

家を売却した時の税金の仕組みについての続きです。 これまで、譲渡所得金額の計算式である

記事を読む

不動産投資のリスク~賃料の値下げを要求されるリスク~

  こんにちは! 我が家のクリスマス気分も盛り上がってきました! さて、

記事を読む

家を売却したときの税金の仕組み(3)

家を売却した時の税金の仕組みについて、 これまで以下のようなことを説明しました。 -

記事を読む

adsense レクタングル

adsense レクタングル

 
no image
住宅ローンの借り換えの好機

長期金利の低下を受けて、 住宅ローンの借換えをしました。 10

no image
フィリピンの一等地(マカティ)での不動産投資

昨日のエントリーでは、海外不動産に投資する際には、 十分に注

no image
海外不動産投資には要注意

海外の不動産投資に興味がありますか? 先日、海外不動産のセミナー

法律行為を行えない人が相続人にいる場合の遺産分割協議(2)

遺産分割の協議をしようとしても、相続人の中に、法律行為を行えない人がい

着眼大局、着手小局 小さな歯車を回し続けること

「平成進化論」という読者数20万人を誇るメルマガを毎日配信されている、

→もっと見る

  • 筆者:nobu
    このブログについての詳しい説明はこちら

    お問い合わせ
PAGE TOP ↑