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小規模宅地等の特例の整理

先日は、相続税の計算上の財産評価に際して、

●現金→土地(自用地)→土地(貸家建付地)
とすることで、評価額を引き下げることが可能

●更に、「小規模宅地等の特例」が適用できれば、
更に一定の面積まで評価額を引き下げることが可能

ということを書きました。

今回は、「小規模宅地等の特例」について取り上げます。

小規模宅地等の特例とは

相続により取得した土地のうち一定の面積までは
土地の評価額を80%(または50%)減額することができる
という制度です。

例えば、小規模宅地等の特例の居住用宅地等に該当すれば、
土地の評価額が1億円だった場合において、
相続税の計算上、その土地の評価額は2,000万円になります。

評価額を引き下げられれば、
それだけ節税につながるというものです。

小規模宅地等の特例の目的

相続が発生した際、
相続人が相続した自宅や会社の土地・建物などを、
高額な相続税の支払いのため、
手放さないで済むようにするためです。

生活基盤となっている自宅を
手放すはめになると困りますよね。

 

小規模宅地等の特例を適用できる人、できない人

細かな条件は、ひとまず置いておいて、
ひらたく言いますと、特例を適用できるのは
以下の人(ケース)です。

●被相続人と同居している配偶者(例:亡き父の妻=母)

●同居している子どもが継続的に居住する場合

●同居していない子どもで、
被相続人に配偶者や同居している親族がおらず、
その子どもが賃貸住宅に住んでいる場合

なお、二世帯住宅が同居にあたるかについては、
その住宅が区分登記されていなければ、
建物内部で行き来ができない場合でも同居と見なされ、
特例は適用できるようですね。(2013年1月1日から)

例えば、1階が親名義で登記、2階が子名義
で登記されているケースです。

また、特例を適用できないのは以下の人(ケース)です。

●被相続人と同居していない親族が、
その土地を取得した場合で、
自己または自己の配偶者が既に持ち家に住んでいる場合

●二世帯住宅で、区分登記しており、
相続人が保有する部分に対応する土地

制度の改正

この制度は、これまでもありましたが、
2015年(平成27年)1月1日から一部改正されます。

■主な改正点1
居住用宅地等について、評価額を80%減
することができる上限の面積の変更(拡大)


変更前:240㎡

変更後:330㎡

ざっくり100坪までが、
80%減額できるようになったのですね。

ただ、都心部で240㎡以上の土地(自宅)を
保有する人は、限られますよね・・・

ここはほとんどの人にとって影響ないですかね。

■主な改正点2
事業用と居住用の宅地を併用する場合の限度面積の緩和

変更前:
事業用(限度面積400㎡)と居住用(限度面積240㎡)の両方を
限度面積まで使用不可能(最大400㎡までの適用)

変更後:
事業用(限度面積400㎡)と居住用(限度面積240㎡)の両方を
限度面積まで使用可能(最大730㎡までの適用)

 

老人ホームに入居していた場合の取り扱い

そもそも、小規模宅地等の特例を適用するためには、
「被相続人が土地を所有し、かつ居住していること」
が前提条件
となります。

ところが、被相続人が老人ホームに入居していた場合は、
「居住している」という要件を満たしていないことになり、
特例が適用できないケースがありました。(かつては)

ただ、それでは厳しいということもあり、
2014年1月以降、適用の要件が
以下の2つに改正(緩和)されております。


(1)被相続人に介護が必要なため入所したものであること

(2)その家屋が貸付等の用途に供されていないこと

以前は、老人ホームの所有権や終身利用権を
取得すると適用が受けられませんでしたから、
厳しかったのですね。

自宅や会社の土地の相続税評価を
大きく下げることができる小規模宅地特例は、
不動産を使った相続対策では最も効果の高いものです。

見た目は同じ土地でも、視点や捉え方を変えてみると、
いろいろ活用することができそうですね。

お困りのことがあればご相談くださいませ。

141022_のび太

ではまた。

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